【簡単解説】大損!ダメ絶対!銀行窓口での投資信託

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銀行の窓口で投資信託を買うことを考えていませんか?または郵便局や保険会社での投資信託はどうでしょうか?しかし、これらの場所で投資信託を購入する前に、一つ重要なことを知っておく必要があります。それは、銀行窓口、郵便局や保険会社での投資信託には大きなデメリットがあるということです。それは「手数料」です。この手数料があなたの収益を大きく圧迫し、潜在的な利益を奪ってしまいます。この記事では、そんな銀行窓口の投資信託の落とし穴を分かりやすく解説していきます。

一番のデメリット:手数料の高さが投資信託の収益を圧迫

一般的な手数料の概念とその影響

投資信託を購入する際、最初に目にする「取引手数料」は実際には氷山の一角に過ぎません。確かに、取引手数料は投資信託を購入したり、売却したりする際に発生する費用ですが、これは無料のところもありますし、取引手数料が無料であることをウリにしている銀行もあります。

しかし、投資信託における一番の費用負担は「信託報酬」と呼ばれるものです。これは何かというと、投資信託を運用するために金融機関が投資家から受け取る手数料のことです。つまり、あなたが投資信託を持っている間、金融機関はあなたの投資金額の一部を信託報酬として毎年自動的に差し引きます

では、具体的にはどれくらいの金額が差し引かれるのでしょうか。これは投資信託の運用総額に対して一定のパーセントで設定されており、長期間保有するほどその影響は大きくなります。たとえば、運用総額が100万円で信託報酬が1%の投資信託を保有した場合、信託報酬として1万円が差し引かれます。翌年、株価が上昇して110万円になった場合は、その110万の1%である1.1万円が差し引かれます。これが毎年発生します。

ここで問題になるのが、銀行窓口とネット証券とで信託報酬が大きく異なるという点です。銀行窓口での投資信託の信託報酬は、ネット証券と比較して平気で10倍以上も高いことがあります。つまり、同じ100万円を投資した場合、銀行窓口では年間1万円、ネット証券では年間0.1万円と大きな差が出てしまうことになります。

これが、銀行窓口での投資信託購入が大きな損に繋がる理由の一つです。取引手数料が無料であることに目を奪われてしまいがちですが、本当に注意すべきは信託報酬の高さです。

次の節では実際に存在する投資信託商品の例を出して信託報酬の額を比較してみます。

実際に信託報酬を比較

具体的な数字を出して、銀行窓口とネット証券での投資信託の手数料がどれだけ違うのか見てみましょう。2023年6月現在、みずほ銀行の投資信託ランキング1位は「キャピタル世界株式ファンド」で、この商品の信託報酬は年率約1.701%です。

それに対して、同じく2023年6月のSBI証券の投資信託ランキング1位は「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、こちらの信託報酬は年率約0.1133%です。これだけを見ても大きな差がありますね。

では、運用金額が1000万円だとした場合、どの程度の差が出るのでしょうか。みずほ銀行の「キャピタル世界株式ファンド」を選んだ場合、1年間の信託報酬は約17万円にもなります。一方、SBI証券の「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」では、1年間の信託報酬は約1万1千円です。

同じ1000万円を運用しても、1年間でみずほ銀行を選んだ場合、約16万円も損をしてしまいます。10年間で考えると、少なくとも160万円以上の損失が出てしまいます。

さらに、投資は長期間行うほど金額が増えるので、この差額はどんどん広がっていきます。なお、取引手数料についても、みずほ銀行の投資信託商品は3.30%、SBI証券の商品は無料です。

商品の内容自体は異なりますので、一概には言えませんが、このような大きな差が生じることを理解しておくことは重要です。銀行窓口で投資を行うと、知らないうちに大損してしまうことがあるのです。

※信託報酬は変更されることがあります。ここで紹介している信託報酬は現在(2023年6月)の値です。

その他のデメリット:手数料以外で窓口での投資信託が不利な理由

選択肢の少なさ

手数料の問題だけでなく、銀行窓口での投資信託には他にも注意すべきポイントがあります。それが「選択肢の少なさ」です。

一般的に、銀行窓口ではその銀行が提供している投資信託や提携している金融機関の商品が中心になります。このため、その銀行の窓口で取り扱っている商品数は少なくなってしまいます。これに対し、ネット証券などではさまざまな金融機関の投資信託を一括で比較・検討し、自分に最適なものを選ぶことができます。

特に投資信託は、投資対象(株式、債券など)や地域(日本、アジア、全世界など)、運用方針(インデックス投資、アクティブ投資など)によって、無数に存在します。これらを総合的に判断して最適な投資信託を選ぶことが、より良い投資結果を得るための重要なステップです。

銀行窓口のように投資信託で選べる範囲が限られていると、自分の投資スタイルやリスク許容度に合った最適な投資信託を選ぶことが難しくなります。これが、銀行窓口での投資信託が不利なもう一つの理由です。

この「選択肢の少なさ」を認識し、自分にとって最良の投資信託を選ぶためには、少なくとも銀行窓口だけでなく、ネット証券など他の場所もチェックしてみることがおすすめです。

情報アクセスの遅さ

投資において、情報は非常に重要な要素です。その情報へのアクセス速度が投資結果に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。これは、銀行窓口での投資信託の購入とネット投資とを比較する際の大きな違いの一つです。

銀行窓口での投資信託の場合、重要な情報はすべて銀行員から得ることになります。しかし、銀行員の対応は一人ひとりの顧客に対してのものですから、必ずしも最新の情報をすぐに手に入れることができるわけではありません。また、窓口でのサービスは限られた時間内でしか受けられません。

これに対し、ネット投資では自分で最新の情報をいつでも手に入れることが可能です。リアルタイムでの株価の動きや、世界の経済ニュース、専門家の分析コメントなど、多岐にわたる情報が手に入るのです。これらは自宅や外出先からでも24時間いつでもチェックできます。その結果、情報のアクセス速度が格段に上がります。

この情報アクセスの早さは、投資の判断を上で非常に重要な要素となります。投資の判断を下す上での最新情報のアクセスが容易なネット投資は、銀行窓口での投資信託に比べて優位性を持っています。

例外的な状況:窓口の投資信託に向いている方

安心感を求める人

投資信託の選択には、手数料や情報アクセスの速さが重要であることをこれまでに見てきましたが、すべての人が数字や情報だけで決断を下すわけではありません。実際、人によっては、具体的な数字よりも人と直接話すことで得られる「安心感」を重視する方もいます

銀行窓口で投資信託を購入する最大の利点は、その「対面」性にあります。窓口では銀行員と直接対話し、投資に関する質問や不安をその場で解消することが可能です。また、銀行員が投資信託の選び方やリスクについて具体的なアドバイスを提供してくれるので、初心者の方でも安心して投資を始めることができます。

一方、ネット投資の場合、情報の取得や判断はすべて自分自身で行う必要があります。これは、情報を理解し、自分の投資戦略を立てる自信がある人にとっては魅力的な面もありますが、初めて投資を始める人や、自分自身で情報を探し出し判断を下すことに不安を感じる人にとっては、大きな負担となりうるのです。

したがって、一般的にはネット投資が手数料や情報アクセスの速さで優位に立つことが多いですが、それでも人と直接話し、対面でのサポートを受けることで得られる安心感を重視する方は、銀行窓口での投資信託を選ぶことも検討してみてはいかがでしょうか。

ネットへのアクセスが難しい人

ネット投資は便利で手数料も安いですが、それでもなお、ネットへのアクセスが難しい、もしくは不可能な人もいます。これには年配の方やデジタル技術になじみのない人、地域的な問題でネット環境が整っていない方などが含まれます。

そうした方々にとっては、銀行窓口で直接話し、手続きをすることが最も手軽で安全な方法となります。銀行窓口では、ネット投資で必要となるデジタル技術を必要とせず、直接対話で質問したり、アドバイスを得たりできます。また、銀行員が一緒に手続きを進めてくれるため、自分一人で判断を下すプレッシャーもありません。

このような理由から、ネットへのアクセスが難しい方々が銀行窓口で投資信託を購入することは、必要なサービスの一つです。ネット証券での投資が主流となる今日でも、銀行窓口にはその役割と価値が存在するのです。

まとめ

本記事を通して、銀行窓口での投資信託とネット証券での投資信託の違いを見てきました。具体的には、以下の4点が主な違いとなります:

  • 手数料の高さ:銀行窓口で購入する投資信託の手数料は、ネット証券で購入するものと比べて高くなりがちです。
  • 選択肢の少なさ:銀行窓口では提供される投資信託の種類が限られます。
  • 情報アクセスの遅さ:銀行窓口では最新の情報を即時に得ることが難しい場合があります。
  • 対話による安心感:銀行窓口では、直接銀行員と話すことで得られる安心感があります。

この結果から、銀行、郵便局、保険会社などの窓口で買える投資信託は、基本的にはネット証券などで買う投資信託と比べて大きな損失につながる可能性があります。この点は、投資を検討している方々にとって重要と言えるでしょう。

しかし、全ての人がネット証券での投資に適しているわけではありません。知識がない、ネット環境が整っていない、対面でのアドバイスを受けたいといった理由から銀行窓口での投資を選ぶ方もいます。そのような例外的な状況を考慮し、自分に合った投資を理解し、実際に行動に移すことが大切です。

最終的には、投資は自分自身の金銭状況、リスク許容度、将来の目標などを考慮した上で行うべきものです。そして、その選択はあなた自身が最も重要な役割を担うことを忘れないでください。

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